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加糖練乳
液体の甘み
豊かでクリームのような質感で知られる加糖練乳(SCM)は、世界中で数え切れないほどのデザートや飲料に使用され、愛されている素材です。SCM は牛乳を蒸発させ、ショ糖を加えて製造されます。還元加糖練乳(RSCM)は、乳固形分、水、その他の成分を混合することによって製造されます。これらの製品は賞味期限が長いので、冷蔵設備のない地域では利便性の高い選択肢となります。生産者が高品質の SCM に対する消費者の需要に応えようと努力する中で、微生物学、結晶化、濃厚化などの重要な要素を理解することが不可欠です。ベストプラクティスを実践し、卓越性へのコミットメントを維持することで、生産者は、味と賞味期限の両方に満足のゆく SCM と RSCM を提供し、市場で際立った存在となることができます。
賞味期限と腐敗防止
SCM の際立った特徴のひとつは、賞味期限が長いことです。この優れた耐久性は、製品内に腐敗生物がほとんど存在しないことによるものです。SCM に含まれる高濃度のショ糖は高い浸透圧を生み出し、腐敗生物を効果的に抑制します。賞味期限を最大限に延ばすには、ショ糖の含有量が特定の範囲内に収まるようにすることが不可欠です。ほとんどの腐敗生物を抑制するためには62.5%を超える必要がありますが、ショ糖の結晶化を防ぐには64.5%未満でなければいけません。
微生物学的な問題
SCM の微生物学的品質は、製造に使用される原材料の品質に左右されます。次の3つの重要な点に細心の注意を払うことが不可欠です。
- 蒸発前の牛乳の加熱処理。
- SCM 混合物の過熱処理。
- ショ糖添加の段階。
微生物学的な問題(特に充填中の汚染)が、腐敗の原因となります。これを防ぐには、最先端の技術、適切な充填技術、気密封止が不可欠です。
質感と品質のための結晶化
ショ糖の結晶化は、SCM の質感と口あたりに欠かせないものです。沈殿や、質感が砂状になるのを避けるため、小さい乳糖結晶(長さ最大10 µm)が好まれます。これを実現するには、正確な冷却、乳糖の播種、安定した保管温度の維持が必要です。保管温度が変動すると、結晶が大きくなる可能性があります。さらに、ショ糖濃度が高い場合、および/または保存温度が低い場合には、ショ糖の結晶化が起こる可能性があります。
濃厚化:理解と軽減策
時間の経過とともに粘度が増加することを特徴とする濃厚化は、SCM やその他の長期保存可能な乳製品にとって問題となっています。これは、耐熱性微生物プロテアーゼとカゼインの物理化学的変化に起因します。これを低減するために重要な点は次のとおりです。
- 一貫して高品質な原材料を確保すること。
- 110°C 以上で熱処理を実施すること。
- 製品の後汚染を防止すること。
プロセス概要
加糖練乳の製造方法:
- 原材料:加糖練乳(SCM)製造の主原料には、標準化牛乳、ショ糖、乳糖が含まれるのに対し、還元加糖練乳(RSCM)は、脱脂粉乳、クリームパウダー、乳タンパク質濃縮物など、さまざまな保存乳製品を利用できます。原材料の品質と熱安定性は、最終製品の品質にとって不可欠です。
- 牛乳の標準化:牛乳は希望する脂肪含量に標準化されます。この工程は、APV Compomaster を低温殺菌ラインに組み込んで行うことができます。あるいは、標準化をバッチで実施することもできます。
- ショ糖の添加:ショ糖が添加される段階によって、最終製品の品質がある程度決まります。ショ糖は、熱処理前または蒸発中に添加できます。添加段階は、製品の耐熱性、濃厚化、最終品質に影響します。
- 熱処理:蒸発前に、牛乳または牛乳とショ糖の混合物を、プレート式熱交換器またはインジェクションノズルプラントで特定温度で熱処理することにより、細菌、酵母、カビ、酵素を破壊し、最終製品の粘度を制御します。温度と保持時間は粘度と製品品質に影響を与えます。
- 蒸発:薄膜降下式蒸発器は、牛乳または牛乳とショ糖の混合物を、希望する全固形分レベルまで濃縮します。蒸発は多くの場合、細菌数を抑え、最適な粘度、味、色、賞味期限を確保するための熱処理と一体化されています。
- 真空冷却:小さな結晶を確実に形成する上で最も重要な側面の一つは、真空冷却プロセス(フラッシュ冷却とも呼ばれます)です。混合物を真空冷却して、小さな乳糖結晶の形成を促進し、滑らかな製品の製造に寄与します。結晶化の前に乳糖の播種を行います。
- 結晶化と保管:加糖練乳は、ポンプで結晶化タンクに送られ、そこで結晶化します。攪拌機付きの特殊タンクと、後汚染に対する予防措置が用いられます。製品は直接充填または保管できます。
- 缶詰め:SCM は滅菌缶に充填され、汚染を防ぐためにヘッドスペースは最小限に抑えられています。缶は密封され、洗浄され、ラベルが貼られ、流通の準備が行われます。